鵠沼海岸「渚のゴールドライン」の撮り方
海のサンセットを撮ると皆同じ写真になってない!?
海のサンセットの写真を撮りたい」写真スポットのガイドをしていると、必ずと言っていいほどこのようなリクエストがきます。
※湘南撮影ポイントガイドはこちら タビカで開催しています。
でも、殆どの場合、どこかで見た事のある写真になりがちです。
有名なスポットに行けば行くほど、やはりどこかで見た事のある写真を撮ってしまっています。
普通の観光写真を撮るのならば、それでも満足なのでしょうが、地元のフォトグラファーや、様々な場所を撮っているフォトグラファーは、おそらく満足していないでしょう。
私もその一人です。「わー綺麗」と言われただけでは、全く満足していません。
他の人の写真を見てもスゴイ!と思うオリジナリティーある写真になかなか出会う事はありません。
だからこそ、スゴイと思った写真に出会った時は感動です。
「これどうやって撮ったのかな~」
「どんなカメラとレンズでとってるのかな~」
「どんな場所なんだろう?」といろいろ探って見ます。
おそらく、皆さんも自分の撮りたい写真や見た事のない写真に出会うと同じように思うのではないでしょうか?
今回は、週に数度は行っている私のホームグランド鵠沼海岸で逆光で撮る「渚のゴールドライン」私の撮り方と機材を紹介します。
※あくまで、私の撮り方なので参考程度にしてください。
「虹」「劇的サンセット」? 何を撮るかでレンズを変える
~自然をチェックして、どんな写真を撮るかイメージする~

「太陽の位置を確認し光の角度を確認してどんな写真を撮るかイメージする。」
写真を学ぶ時に、まず学ぶ事ですが、鵠沼海岸のサンセットの場合は海を前方に右に富士山(天候がよければ)、左に江ノ島が見えるポイントです。
サンセットは富士山側に陽が落ちるので、富士山のシルエットを背景にフォトジェニックな写真が撮れます。
大事な事は、その日の湘南のフォトジェニックな写真は、どんな1枚が撮れるか!?です。
季節により太陽の位置が富士山の右に落ちたり、左に落ちたりするので、ベストな撮影ポイントも変わってきます。
また、地元のフォトグラファーの方々は、天候が変わる時を狙います。
雨後には「虹」が出たり、「空が焼ける」たりするので、海岸に出かけます。
撮影ポイントに出かける前に、まずイメージして、カメラとレンズを決めます。
「虹」を拡大して、江ノ島のかかるのを撮りたい時には、「望遠」を!空が焼けそうだなという時には、「広角」をメインに持っていきます。
今回は曇りで、富士山が見えない日でした。
それでも、雲から光がスポットライトが射し始めたので「渚の光路」を撮る事が出来ました。
そうそう、最近撮る前に行っている私のルーティンは、光の角度を確認、モデルになる人をチェック、そして、目を瞑り、風と温度、その場所の音を感じる事です。
そうすると、自分のイメージがいくつか出来てきます。
偶然のショットを撮るにしても、シャッタースピード、露出、ISO、構図は考えなければ行けませんが、自分のイメージというのはさらに、風の強さや匂い、温度、音を感じる事で、その場の雰囲気を伝えやすくすると思うのです。
例えば、「風が強いな」と思った時は、風で少女の髪が靡く映像が浮かびます。
今日は「南風の暖かな風」そう思った時には、ホワイトバランスで暖かい色彩にします。
潮が高いなと思った時は上手いサーファーが多いので、それに備えます。
なだらかな時は、鵠沼海岸には3つ程絶好の場所があるので、その場所に行きます。
時間によって潮の高さが変わるのでチェックして行くといいでしょう。
場所によっては数十メートル先まで歩いて行ける場所もあります。
太陽の角度が季節と時間によって変化するので、その日の自然に合わせています。
今回は太陽が富士山の右に降りて行くので、渚の浅い場所を狙って、一歩海に入ると光の路が見えてきました。
時々、いきなり深くなる場所もあるので、波の強さなどを事前にチェックして、ポイントを選びました。
渚のゴールドライン(背景)を見つけたら、主人公が登場するのを待ちパシャリ!
シルエット撮影のメリットとシルエットにしたくない撮影方法。両方の解決方法
写真は、光と影の芸術とよく言われますが、夏の湘南は太陽が落ちてくると砂浜に見事に影が伸びてその光景を撮る事も出来ます。
シルエットの風景光景を撮るには、光が強すぎて、人物が真っ黒になりがちですが、逆光のシルエット撮影にも、メリットがあります。
②顔などがわからないので、3割増しに素敵に写る。
③フォトストックで販売する時にモデルリリースがいらなくなる可能性が高い
ただ友達や、家族、恋人と一緒の写真で顔が写って欲しいと思う方もいると思うので、今回は湘南の夏らしい海の光景を撮りました。
「渚の光に包まれた少女」です。
必要なのは、カメラの設定シャドートーン
私は、ソニーα7Ⅲと富士フィルムX-PRO2を使っていますが、
逆光を撮る時は、富士フィルムX-PRO2の場合はシャドートーンとハイライトトーンの設定を一番低く設定しています。こうする事で、逆光で白飛びを少しは防げ真っ黒なシャドーにはなりにくくなります。
-
ハイライトトーン:-2
シャドートーン:-2
後は、ISOを一番低くし、露出を決めてからシャッタースピードでコントロールしています。

太陽がまぶしすぎる時にはNDハーフフィルターを!
isoを一番下に下げ、シャッタースピードを最高に上げても、撮りたい露出設定に合わない場合があります。
そんな時にはNDフィルターを使い調整しますが、私はよくサンライズ&サンセット使用のハーフNDフィルターを使用し、強すぎる光を制御し、白飛びするのを制御しています。
ちなみに私の使っているハーフフィルターは丸形のハーフNDフィルターです。
通常のNDフィルターで、撮ると、光は調整できるのですが、空に合わせた場合、人物が暗くなってしまったり、人物と空の明暗さは調整できないのです。
※下記にリンクを張っておきますが、サンライズ、サンセットなどの逆光にお困りの方は使てみるのもいいでしょう。サンセット、サンライズで白飛びしてた写真の悩みが解決できます。
【KANI】レンズフィルター 減光フィルター SOFT GND0.9 (82mm)
今回使った機材とレンズ
TAMRON(タムロン)70-180mm F/2.8 Di III VXD
今回使ったタムロンレンズ購入経緯
Eマウントでは選択肢が少なく、純正のものを購入するか、コンバータを使ってキャノンEFを使うかの選択肢があった。
純正で自分が撮りたい距離のレンズは下記の2つだった。
ボケ味を妥協したくなかったので、一番写りがよいと思われるGMレンズ(SEL70200GM)を、第一候補としながらも、24-70mm F2.8 DG DNの評判がかなりいい、シグマからE マウント f 2.8 mm 通し70~200 mmのレンズがでないか、ずっと待ち望んでいた。
突如、現れたTAMRON(タムロン)70-180mm F/2.8 Di III VXD
そんな折、TAMRON(タムロン)レンズ から、70-180mm F/2.8のレンズが発売された。TAMRON(タムロン)レンズは、過去に使った事がなかったという事もあったのだが、購入する候補としては、入っていなかった。
購入したのは、写真仲間のタムロン製レンズでの写真がかなりよかった事と、シグマからEマウント用70-200mmのレンズが発売されなかった事だった。
この2点が大きく、望遠側の20mm短いという部分は引っ掛かる点ではあったが、なんといっても軽く撮っていて、楽しいレンズ。ボケ味という点では滑らかで、心の中で「美しい」自分史上初めての美しいボケ味、と思ったほど。そして、純正70200GMレンズを購入するまでないと感じた。使ってみての感想は満点に近いものであった。
準備するもの
NDフィルター:光が強すぎ白飛びする場合もあるので、NDフィルターがあると撮影チャンスを逃す事も少なくなる。今回は雲の間から太陽が顔を覗かせたという事もあり1/2000秒で問題なかった。
ビーチサンダル:私は、裸足で歩くのが気持ちいいので、殆どは裸足で海に入りますが、時々、ガラスの破片なども落ちてる場合があります。初めての人はビーチサンダルがあると安心です。
注意:大潮の上げ潮にはクラゲが大量にうちあげられる事があります。私も1度刺された事があります。クラゲの種類によっては処置の方法が異なりますので注意が必要です。
特にクラゲの姿が見当たらず、種類がわからない場合は暖かいお湯につけるといいでしょう。
撮影機材と撮影データのまとめ
撮影ポイント:鵠沼海岸(神奈川県藤沢市)
マップ:35.313855, 139.472424
レンズ: TAMRON(タムロン)のレンズ 70-180mm F/2.8 Di III VXD
あると便利:【KANI】レンズフィルター 減光フィルター SOFT GND0.9 (82mm)
35 mm 焦点距離: 180 mm
絞り値:F 2.8
露出時間:1/2000秒